今回はデザインにこだわるインテリアに欠かせない、 「造り付け家具」を取り上げてみましょう。
家具は大きく3つに分類することができます。
●造り付け家具のプラス面としては、
マイナス面としては、
●造りつけ家具のオーダーの仕方
造り付け家具を造るにあたって、大切なことは計画段階で、どんな使い方をするか、何を入れるかを明確にすることです。 せっかく造ったのに、入れようと思っていた物があと数cm足りなくて入らないといった失敗がないよう、図面等で細かく打ち合わせをする必要があります。 造り付け家具は、まずご自分のイメージを明確化し、専門家に相談するのが一番だと思います。 予算に合わせていろいろな素材の提案や家具の形等、いろいろアドバイスをもらって、検討した方がいいでしょう。
造り付け家具はご自身のためのたったひとつの家具です。できれば使い勝手のいいものにして、さらに仕上げも十分に検討して愛着のあるものを造ってください。
次にいくつか造り付け家具の作成例をご紹介します。
【写真1】はあるクリニックの診察室の家具です。 先生が中央のオープン部分にお花などを飾りたいというご要望でしたので、上部に家具用ダウンライトを入れてあります。
【写真2】は同じクリニックの処置室です。 一見システムキッチンのように見えますが、オーダーで造ったものです。 下のキャビネットは扉巾を均等にしていますが、内部は用途に合わせて、ゴミ箱があったりと、いろいろですが、見た目はすっきりとまとめています。
【写真3・4】は子供室の家具です。 間口が狭かったため、デスクとベッドのヘッドボードを一体にして造りました。 壁にも家具と同じテイストで小物掛けをしつらえています。
●仕上材
次に仕上げ材についてお話します。 ひとつひとつの要素を詳しく述べると、ページが何枚あっても足りないので基本的なことをおさえましょう。 家具の仕上材(一番外側に見える材料)には、様々なものがあります。 ポリ合板やメラミン化粧板のような樹脂系の素材や、さらに様々な柄があり一見すると本物の木のように見えるものから、ピアノ塗装のようなものまで多種多様です。
【写真5】はポリ合板で造った書棚ですが、 壁と一体化してすっきりしています。
木製のもの突板(木の板を0.3mm位にスライスしたもの)・単板・集成材・無垢板等は、やはり自然素材なので木目の持つ風合いや優しさがなんともいえないものです。 また、天然のものなので木目の出方によっては、柄のように使用することもあります。【写真6A〜D】
Aは素直な柾目の突板、Bは杢が現れているもの、C・Dは白太の部分が模様となって現れています。扉にはこのような模様が繰り返し出てくるように使用します。
塗装はさらに木目の上に塗るのですが、天然の木目の色をそのまま生かすクリア塗装から染色、さらに目を完全に潰してしまうものもあります。【写真7】
また、つやによっても見え方が変わってきます。【写真8】
同じ色を塗ってもつやの出し方で表情が変わります。 右がつやなし、左が3分つや。
他には金属やガラスなど、素材を組み合わせて使用出来るのも造り付け家具のおもしろさです。
こうして見ると造り付け家具は様々な可能性を持っている事がおわかりになると思います。 皆さんも置き家具などとも合わせて、使い易く、デザイン性もあるものを実現させてみてください。