下は4年前にイタリアのミラノに出かけた時、市内のある設備メーカーのショールームで撮った写真です。今、日本でも大流行のオープンキッチンがどこのショールームでも既に当然の様に展示されていてその新しい提案と共にヴィヴィッドなカラーリング、お洒落な小物使いが新鮮だった記憶があります。
ところで、注目していただきたいのがカウンターにディスプレーされているお箸、お椀(【写真2】)。なんとお醤油まで置いてあります(めいめいに置いてあるのはご愛嬌ですが・・・)ヨーロッパでは「ZENスタイル」と言われるインテリアスタイルが大流行で、展示会に行っても日本の障子をイメージさせるディスプレーや小物、朱色など日本の伝統色の色使いは我々日本人にも新鮮に映ります。この辺のお話は、おすすめインテリア「ミラノサローネ Vol.2」でも少し触れていますので、ご覧ください。 そういえば、「ル・ディヴォース/パリに恋して(2003年作品)」という映画で主人公のナオミ・ワッツとケイト・ハドソン姉妹がパリの高級レストランでフランス料理のフルコースの食事をする場面でも、テーブルの上にお箸が置いてあるのを見つけて、つい「へぇー」という感想を持ちました。この映画では「英語にはスカーフの巻き方を表わす言葉はひとつしかないけれど、フランス語にはいっぱいあるのよ」という会話があって、その会話に併せて若い女性がスカーフを色々なスタイルで装う場面があったりしてなかなかおしゃれでした。 だいぶ横道に逸れてしまいましたが、こういった小物やインテリアで工夫をする事も大事ですが、やはり家を建てる時には最初から空間的な工夫をいっぱいしたいものです。 数年前にある住宅の設計を手掛けているとき、設計やインテリアコーディネートをしている女性スタッフ達が不満を漏らしました。「既製の洗面化粧台は下が収納になっているけど足元は抜けている方がいい」、「洗面所の収納は洗面化粧台とは別の場所に設けて足元はスッキリさせたい」「スタイリッシュな洗面所で楽しくお化粧したい」等々・・・今は、いくつかの設備メーカーからおしゃれな洗面化粧台が発売されていますが、当時は実用一点張りのユニット洗面化粧台しかなく、結局あるメーカーさんに依頼して洗面化粧台を作ってもらう事にしました(【写真4】)。
みなさん、いかがですか? ある調査によると、女性の約半数の方が洗面所でお化粧をしているそうです。箱型の洗面化粧台がデーンとあって洗濯物が溢れていて、ジメジメしていそうで・・・そんな洗面所は嫌ですよね。 |
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さて、日常、一番滞留時間が長いリビング、ダイニングは予算上又は敷地の制約上あまり広く取れないとしても「少しでも広く(見えるように)」「伸び伸びと過ごせるようにしたい」というのが人情というもの。
以上のような事は、二次元の平面図上ではなかなかわかりにくいものですが、プロはその辺を良く考えて頭の中に立体を描きつつ平面プランを作りこんで行きます。 設計をしてもらっている時、平面図でわからない場合は、内観パースや模型製作を依頼するなどプロを上手に使ってイメージの擦り合わせを十分にしながら計画をすすめるようにして下さい。 加えて、ちょっとした工夫で窓や照明で上手に明かりを取る事で豊かな生活が出来るようになると思います。照明の工夫については、おすすめインテリア「暮らしを豊かにするあかり」を参照下さい。 |
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住宅を設計する上で視覚的な効果を狙って空間を演出をする場合があります。【写真9、10】はそういった効果を狙った玄関の例です。スタイリッシュな階段をオブジェのように玄関正面に配置し、吹き抜け空間と階段を組合わせる事で空間的な広がりと感動を呼ぶ視覚的効果を狙っています。
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「空間をデザインする」、いかがでしたか? 以前にも書きましたが住宅のプランを作る時、どうしても一般の方は平面で考えがちですが、住宅は立体で考えるものです。今回の特集がお役に立つ事が出来れば幸いです。 ※写真はイメージを含みます。必ずしも説明文と一致するものではありません。 ※申し訳ありませんが、記載された住宅の設計についてのご質問や個別の住宅設計のご相談には応じかねますので予めご了承ください。 |
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