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住宅の外観デザイン
スタッフ 一級建築士 ケイ

住宅の外観デザインについて。
デザインの流行は少しづつゆるやかに変わりますが、
忙しさに取り紛れて、ちょっとこちらのアンテナの感度を
ゆるめたりしていると、気が付いた時にはまったく違った
傾向に変化していたりすることもあります。
外観デザインは、今までに何回か取り上げたテーマでは
ありますが、今回はデザインの考え方や計画するときの
注意点について、触れたいと思います。

イメージ写真
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■住宅のデザインの流行は年とともに変化

ファッションやお化粧などは「今年の秋は・・・、来年の春は・・・」
といった感じで季節ごとにめまぐるしく流行が変わります。
住宅の外観デザインやインテリアも、それほど極端ではありま
せんが、流行り廃りがあって、数年サイクルで移り変わって行きます。

先日、ある会社さんが実施した住宅の外観デザインについての調査についてお話しを聞く機会がありました。
それによると・・・。

ここ数年、住宅の定番デザインと言えば「モダン」で「シンプル」
でしたが、需要が一巡したのか少々飽きられたのか、少し変化の兆しが見られるそうです。
住宅購入者の中心が団塊ジュニアから、ポスト団塊ジュニア世代に移りつつあるという事も関係しているようで、彼らはバブル崩壊や今の不況を経験しているせいで、その前の世代にくらべ
堅実な家作りをする事、重厚なデザインや保守的なデザインを好む傾向があるとの事です。

  写真1
【写真1】

■住宅を計画する時、デザインの流行を取り入れないといけないの?

住宅は、数年で買い換えたり住み替えたりするものではなく、20年、30年と愛着を持って長く住んで行くものです。
流行に気を使いながら、自分なりのしっかりとした意思を持って家作りの計画に参加したいものです。
住宅の外観は、その時代のデザインの流行に左右される部分もありますが、住宅に対する考え方の変化やどういった性能を重視するかで、大きく変りますので、こういった点も見逃さずに注意して下さい。
ここ数年は「シンプル」「モダン」といったデザイン要素にプラスし、地球温暖化防止の観点から省エネに気を使った家作りに変わりつつあり、その考え方は外観にも如実にあらわれています。

参考までに私たち「おうちくらぶ」のスタッフも企画に参画した住宅の外観で、具体的に解説します。【写真2、3】

【写真2】は窓の面積を大きくして風と光をより多く取り入れて無駄なエネルギーを使わない、
そんなコンセプトを高気密高断熱住宅に取り入れた住宅で、それまでの「高気密高断熱住宅は窓を小さくして閉じてしまうもの」という考えを改め、計画したものです。

  写真2
【写真2】

【写真3】は、その考え方をさらに推し進めて太陽光発電システムを載せてエネルギーを作り
(=創エネ)、積極的に温暖化防止に参加する、という考え方で計画した住宅です。
その意思が外観デザインに表れていて、太陽光発電パネルを載せやすい切り妻屋根にするなど強い主張を発信しています。

  写真3
【写真3】
当たり前の事ですが、デザインは機能や性能の表れでもあり、決して装飾のためだけではありません。見た目のデザインだけに目を奪われる事がないよう、専門家と相談しながら計画をするようにして下さい。

■外観デザインをする時の注意点は?

一過性の流行を追いすぎると、その時代は良いのですが、数年経って別の流行に移り変った時に、
すこし後悔する場合もあります。
流行が変わると言っても、「A」だったものが、全く関連性の無い「B」になるのではなく「A」⇒「A’」⇒
「A”=B」といった具合に関連性を持って変わって行き、最初の「A」と最後の「B」を比べると違って
見えても、実は変わって行く過程では繋がりがあり、変わらない「定番のデザイン」は継承されて残って行きます。
従って、流行を上手に取り入れることで、いつの時代にも通用するデザインが出来ると思います。

【写真4】【写真5】の住宅はデザイナーズマンションやデザイナーズハウスの全盛時に計画し建築した住宅ですが、当時の流行を取り入れつつ、昔から変わらない日本家屋の持つ木の感触や和の要素を取入れてデザインしたものです。既に建築後5年が経過していますが、狙い通りあまり古さは感じないと思います。

写真4   写真5
【写真4】 【写真5】
余談になりますが・・・
右下の【写真6】は、あるお客様から依頼されてコーディネートしたダイニングの家具です。
テーブルとチェアはメーカーやデザインの傾向、材質も全く違ったものですが、敢えてはずして組み合わせています。(写真には写っていませんが、絵画や小物もこの家具の色使いや素材を取り入れたりして部屋全体のバランスに注意をしています)

「ガラスとスチール」のテーブルと、「ウォールナットのフレームに革張りの背と座」のチェアの組み合わせですが、コンセプトがしっかりした無駄の無いデザインであること、素材が持つ強い主張が不思議と違和感の無い、それでいて新しい感覚の空間を作り出していると思います。
外観デザインもこのインテリアと同じようなことが言えます。
時代が変わっても、常に変わらないデザイン要素を取り入れ装飾に走らないデザインを心がけることで、長続きする、飽きのこない外観を手にいれることができると思います。

  写真6
【写真6】
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「住宅の外観デザイン」いかがでしたか?
住宅を計画する時、どうしてもその時代に流行しているデザインに目が行きがちで、プロである設計者もその流れで提案しがちです。
少し難しいことではありますが、高いお金を出して建てる住宅ですから、背景にある様々な事柄にも気を配り、自分なりの強い意思を持って計画に参加することが重要です。そうして建てた住宅なら流行が変わってがっかりすることなく、愛着を持って長く住むことが出来ると思います。


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